自然素材の家で得られる健康とは？環境へのメリットについても解説

 

国産材の基本知識

木材というとどこで育ったものかを意識せずに使うことが多いでしょう。しかしその出身地により、私たちの生活や社会に大きな影響を与えます。とくに国産材は日本の経済や環境に深く関わっています。その詳細について見ていきましょう。

 

日本の森林資源の現状

令和3年、全国で必要とされた木材の量は前年比10.8％増の、2,608万5千立方メートルに達しました。その内訳を見てみると、家づくりや家具製作に使われる木材が全体の約6割を占める63.8％も占めています。その次に合板製作用が19.5％、そして木材チップ（紙やパルプ製作に使われる）が、16.6％と続いています。

 

国産材とは何か

国産材とは、日本国内で育成された木材のことです。令和3年時点で木材の供給量のうち国産材は全体の83.8％を占める、2,184万7千立方メートルを数え、前年と比較して9.9％の増加となっています。それに対し海外から輸入した木材は423万8千立方メートルで、前年よりも15.5％増えています。

 

地産地消の原則とその重要性

地産地消とは、地元で育ったものは地元で利用するという考え方です。この原則がもたらす利点として、地元経済の活性化、環境の保全・エネルギー消費の削減などがあります。とくに木材における地産地消は、森林の持続的な利用や管理の改善に寄与し、地域社会の経済的な自立と持続可能性を向上させる役割も果たしています。

 

国産材の利点

国産材はただの木材ではなく、多くの利点をもつ素材です。地球環境の保護から人々の健康、地域経済への貢献まで、さまざまな面での効果が期待できます。それぞれの利点について詳しく見ていきましょう。

 

環境への優しさ

国産材を利用することで、二酸化炭素の排出を抑えるとともに、炭素を貯蔵する働きがあります。これは地球温暖化防止に大きく寄与します。日本の森林から得られる木材を使うことは、より低炭素な社会を形成するうえで重要といえるでしょう。

 

健康と快適さを提供する能力

国産材の使い方次第で、人々の生活がより健康で快適になります。木材がもつ独特の質感や香りは、室内環境をよりよいものにし、私たちの感じ方を向上させます。

 

地域資源の活用と地元経済への貢献

国産材を利用することは、地域の森林資源を有効活用し、地元の経済に貢献する手段です。地元で生産された木材を使うことは、森林業とその関連産業を活性化させます。さらに地域社会が経済的に自立し、持続可能になることを促進するのです。

 

実際の家づくりでの国産材の活用

家づくりにおいても、国産材の活用は増えています。自然素材への傾倒と健康志向が背景にあります。ここではその具体的な例と、国産材を活用した家づくりの思想について見ていきましょう。

 

国産材を使用した建築デザインのトレンド

自然素材が評価される現代の建築デザインにおいて、国産材は温もりと独特の風合いで、人々から支持を受けています。とくに無垢材のフローリングは歩き心地がよく、長時間立っていても疲れにくい特性があるのです。また入る太陽の光をやわらかくし、室内の湿度を自然に調整する効果もあります。

 

地元素材を活用した住宅

地元の自然素材を使用した住宅建築では、防腐剤不使用の木材や有害物質を吸収・分解する、漆喰や珪藻土が活用されているのです。これらの素材は人体に優しく、環境に配慮した選択といえます。防腐剤不使用の木材は、化学物質による人体への影響を最小限に抑え、自然の風合いを最大限に活かせます。また木材は再生可能な資源です。適切に管理された森林から採取されることで、環境への影響も最小限に抑えられます。

 

国産材を用いた家づくりの考え方

国産材を活用した家づくりでは、健康と環境への配慮が中心となります。化学製品の多い家づくりに比べ、自然素材を使用することで、アトピーやアレルギーの発症リスクを減らせます。シックハウス症候群の原因を軽減可能です。さらに自然素材を使用した家は長く住むほどに風味が増し、使い込むほどに自然な美しさが増していく特性もあります。

 

まとめ